15.私も守るよ

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そんな話をしていたら、煩いなあ何事って顔でチョビ登場。 「チョビも元気そうだね」 おう、と答えるように私に向かって短く鳴いて、すぐに後藤の足元へ。 「チョビ、久しぶり」 ミャーオって甘い声出しちゃって、全然態度違うなあ。 皆でリビングに移動して、持って来た段ボールの中から器とお菓子を出して説明した。 「へー、このお菓子とティーカップ、ご両親の手作りかい。凄いねえ。で、ウチの娘は何を作ったんだろうね?」 縁が斜めになっていて高さのある器に、4人と2匹も首を傾げた。 「ねえ、せっかくいただいたから食べようよ。ティーカップも使ってみたいけど、紅茶ある?」 お茶を飲みながら、私達の結婚について祖父母と話した。後藤は前回泊まった時に祖父に後藤家の事情を話していて、祖母も祖父や母から話を聞いていた。 「病状は安定してるんだろ? ちょっと調べたけど、遺伝の確率は高くないし大抵30までに発症するそうじゃないか」 「ええ。でも母は30過ぎて発症しました」 「そんなこと言ったら誰でも発症する可能性はあるでしょう。気にしなくていいわよ。病気は他にもいくらだってあるし、年を取ったら誰だってどこか悪くなるものだから。大事なのは、そういう時に支え合える相手かどうかってことよ」 お爺ちゃんとお婆ちゃんみたいにね。 「ありがとう。お爺ちゃんとお婆ちゃんに認めて貰えれば安心だよ」 「よし、じゃあ2人の婚約祝いをしよう」 お爺ちゃんはまた後藤を連れて買い出しに行って、皆でご馳走の準備をしていたら母が帰ってきた。
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