15.私も守るよ

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身内だけの式と言っても決めることは色々あるねって話している間に到着。前回と違って飲酒運転になっちゃうから、後藤家の敷地内に車を停める所まで私が責任を持った。 「わっ、ちょっと曲がったかな」 「大丈夫だよ。ありがとう」 「じゃあ……お休み」 「うん。あ、ちょっと待って」 降りようとして振り返ったら――! 「……そんなに驚く?」 キスして微笑む後藤。 これから結婚しようって多分一番盛り上がっている時期のカップルには普通のことだろうけど、後藤だから驚いた。 「あ、酒臭かった?」 それはよくわからない。 「どうだろ……うん、ちょっとね」 お返しにじっくりキスしたら、今度は後藤の方が目を丸くした。 その日の内に後藤はお父さんに連絡して結婚式の日取りを決めてくれた。そして私は、結婚することになったと日菜ちゃんに報告した。 『おめでとうございます! 結婚式はどうするんですか?』 式は親族だけで行うと告げると、日菜ちゃんは残念そうに言った。 『そうですか。出席できないの残念です。元嫁だから普通に無理ですよね』 うん、まあ……後藤も気まずいかも。 『あ、でも衣装は協力させて下さい』 「え、日菜ちゃんが勤めてる会社って、アイドルの衣装以外も扱ってるの?」 『何でも作れますよ。良かったら是非お2人で打ち合わせと採寸にいらして下さい』
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