3.タイプです

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「俺が日菜の為に作ったメシだよ」 えー! 後藤の手料理……だったの? ちょっと回想。 『えっ、こんなに? 凄いね、これ全部日菜ちゃんが作ったの?』 『いえいえ、あまり物ですけど、どうぞ』 自分で作ったとは言ってない! 私が勝手に思い込んだだけ。 だって後藤が妻の為に料理するなんて――いや、するのか。こんなに可愛い妻なら。包丁なんて危ないし、火も危ない、君は何もしなくていいよって、そういうこと? 「ご、ごめんなさい」 「波美さん、謝らないで、全部私が悪いの。私がちゃんとご飯食べなかったから……それに波美さんとお話するきっかけが欲しくて……だから……」 ああっ、大きな目から涙が――こぼれ落ちる前に後藤が彼女を抱き締めた。 「わかった。もういい」 泣いてしまった日菜ちゃん。 黙って抱き締める後藤。 似合ってないわけじゃないけれど……なんだろう、この違和感。 ってボーッと見てたら後藤に睨まれた。 「悪い、帰ってくれる?」 「あ、すみません、帰ります」 急いで部屋を出て階段を降りて、男みたいな靴を履いて外に出た。すると窓が開く音がして、声を掛けられた。 「また来てね」 それは可愛いというより可哀想な、縋るような声だった。 
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