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「ああ……まあ一度でもそういうことあったら、もうピュアじゃないからさあ」
「だとしてもピュアじゃないって意味の言葉じゃないよね?」
「そ、そうだね。お、俺はそうは思ってないよ」
「だったら否定してよ。誰も否定しなかったら、これが正解になっちゃうじゃない!」
さすがビッチ。
当たり前みたいにそう書かれていた。
イケメンの正体が私なら、私と彼女はそんな淫らな関係じゃないし、そう見えるような行動だってしてないはずだ。
てか、ビッチって書いた奴は見てもいないんでしょ?
お前に彼女の何がわかるんだよって怒ったらドルオタくんが言った。
「一条さんはSNS向いてないね」
――は?
「否定なんてしちゃダメだよ。したところでこいつの考えを改めさせることなんて出来やしない、むしろ逆効果だ」
「じゃあどうすればいいの?」
「そんなもん決まってるじゃん、スルーだよ。で、別の話題を提供してそっちで盛り上がる。ね、ほらこの俺の書き込み見て」
得意気にどうでもいいアイドルのどうでもい情報を見せられた。ふーんって勝手にスクロールして先に進んでも彼女の話題はなくて、もう皆そんなに彼女に興味はないのか、興味もないくせに時々思い出してチクチク攻撃するのかって思ってたら――
「えっ、ちょ、これ――」
「ああ、来ちゃったか。昨日反応なかったからもう諦めたかと思ったんだけど……」
おい誰かひなの写真撮ってないのかって書き込み。皆無視してるのに明け方からずっと定期的に書き込まれてる。
「こいつヤバいんだよ。絶対見つけ出してやるって粘着してて彼女について書き込みがあると必ず現れる」
「見つけ出してどうする気?」
「さあ……」
「ヤバい奴ならなんで放っておくの? 誰も通報しないの?」
「管理人が面白がって放置してるからどうしようもないよ」
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