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「そんなの無責任よ」
「俺に言われても……まあ大丈夫だよ。ほら皆無視してるし、他にその目撃されたイベント行った奴もあんまりいないし。それよりさあ――」
私も考えが甘かった。3年も経ってるし、もう彼女に執着しているヤバい奴なんていないだろうって思ってたけど、いるんだ。
後藤が正しかった。
ショッピングモールなんて気軽に連れ出しちゃダメだった。あの男装でもバレたって彼女に伝えておかないと。
「ごめん、私そろそろ帰るわ。情報ありがとう」
「待って、写真撮りたい」
「ああ、どうぞ」
店内の撮影だと思ったけど……うん? 私も入ってる?
まあいいかって割り勘して店を出て、途中まで一緒に帰ろうとか言い出したドルオタくんを振り切って独りで電車に乗ってから気がついた。
日菜ちゃんに伝えるって……どうやって?
携帯使えないってマジ不便。
ピンポンして後藤出て来たら何て言う?
土下座して謝って事情伝える?
えーどうしようー。やっぱり日曜まで待つか。
――大丈夫だよね?
それまでに出掛けるとしても後藤が一緒だし。
日菜ちゃんを守る為なら、後藤はきっと何だってやるだろうし……ね?
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