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違う、誰か来たって飛び起きた。
カーテンの隙間から差し込む光でほんのり明るくなったベッドに、冬真くんの寝顔。マジ天使って見惚れてる場合じゃない。
「冬真くん起きて、誰か来たよ」
「うーん……今何時……え、7時じゃん、なんでもっと早く起こしてくれないの!?」
「ご、ごめん」
思わず謝っちゃったけど、えー私のせい?
「おい、まだ寝てんのか、開けろー」
「起きました。すぐ出るって伝えてください」
「ダメだ、顔出せ。しっかり起こしてこいって言われてるんだよ」
ドンドンドン。
「事務所の先輩?」
「うん、別の階に住んでる。僕が電話出なかったから代わりに起こされてムカついてそう。早く着替えて!」
指示しながら一瞬で着替えて冬真くんは部屋から出て行った。
私も今すぐ着替えてここを出なきゃいけないってことだよねって着替え始めたけど――
「すみません、寝坊しました」
「おう、早く行けよ」
「あ、まだ支度が――」
「ああ? お前何か隠してんだろ、どけ!」
まずい、先輩こっち来るって思った次の瞬間、扉が開いてイケメンと目が合った。
「おいおいおい、おまえ厳罰確定だな」
「ち、違うよ、彼女は陽が――」
「陽? いねーじゃん」
「急に仕事入って――」
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