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「いいからおまえも仕事行け。事情はこいつから聞く」
こいつって――私か!
「ちょ、待って冬真くん!」
伸ばした手をイケメンに掴まれた。
「聞いてただろ? 仕事の邪魔すんな」
至近距離に派手な顔。見覚えあるような、ないような。この人もアイドルなのかな。
「わ、わかりました。あの着替えの途中なんで――」
「あんた陽の女?」
「いいえ」
「じゃあ冬真の女?」
「いいえ、そういうんじゃ――」
「じゃあ恋人でもない男と朝まで同じベッドで寝るような女ってことだな?」
違うって言いたかったけど、言えなかった。
唇を塞がれたから。
いきなりのキス。それも深いやつ。
押し倒されたベッドの上。
お手上げって形でホールドされた手に絡まる指。
――これ、夢だよね?
イケメンが私の体を挟んで膝立ち。
上裸になった。凄い筋肉。え、待って、下も脱ぐの!?
上裸は推しの写真集とかで見慣れてるけど、そこは唯一付き合った男のもちゃんと見てないから記憶の限界でそろそろ目覚――めないの? 見えちゃったってことは――
私現実に襲われてる!?
「おい逃げんなよ。陽や冬真と出来て俺と出来ないってねーだろ」
「いやあの私もう帰らないと、仕事――」
「次の予約入ってるの? キャンセルしろよ。金なら払う」
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