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なんて焦っている間に接骨院についた。
やっぱりぎっくり腰らしい。
「負荷が溜まってると、ちょっとしたきっかけでなるんですよ。最近重い物持ったりしました?」
「いや……」
「急に運動始めたとか」
「いや……あっ」
11年ぶりのセックス!?
「何か思い当たりました?」
「い、いえ、何にも思い当たりません」
違うよね?
30過ぎた女が慣れないセックスでぎっくり腰とか悲しすぎるもん。
施術を受けたら少し動けるようになったので、駅に戻ってタクシー拾おうとしたら、車を横付けされた。
「乗れよ」
今度こそ追っ手――じゃなくてまた後藤。
「迎えに来てくれたの?」
「ああ。歩くのしんどいだろ? 自分で乗れるか?」
「う、うん……」
当然という顔でドアを開かれて後部座席に乗り込むと、後藤はゆっくり車を発進させた。
運転上手いな。信号も交差点もスムーズに通過して、全然揺れない。
「どうもありがとう、助かった」
「いや、転んだの俺のせいかなって。挨拶も回り道も面倒だから適当な距離保って歩いてたんだけど、不審者につけられてると思った?」
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