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日菜ちゃんそんなに私のこと――いや、私の世話を口実に2人きりになって話したいことがあるのかも。
「迷惑じゃないし、ありがたいけど……」
「じゃあ決まりです。今日、私ここに泊まります。ね、いいでしょ?」
日菜ちゃんは後藤を見上げて、後藤は彼女と目を合わせてから私を見て答えた。
「ああ、そうしてやれよ。明日の朝早めに様子見に来る。ちゃんと鍵掛けて寝ろよ」
そうだよね、鍵掛ければ大丈夫。桜川陽や仲間達がここまで来たとしても、強盗みたいに鍵こじ開けてまで襲って来ないでしょ。
「じゃあ、お大事に」
「助かりました。本当にどうもありがとう」
そして日菜ちゃんは後藤と一緒に玄関に行って鍵を掛けると戻って来た。
「とりあえず、楽な場所に座りましょうか」
日菜ちゃんに付き添われてソファに座ったら、すっかり介護士の日菜ちゃんが甲斐甲斐しく世話してくれた。
「日菜ちゃん、凄く手際いいね。前にも怪我人の世話したことあるの?」
「はい。昔弟が骨折したことがあって、母は仕事があるから、私がずっと世話してました」
おおっ、彼の学費を稼ぐ為にアイドルになったっていう弟さんの話!
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