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「今日は前に言ってた通りオムライスを作りますね〜!」
オムライスか。 ぶっちゃけ上手いかどうかは知らないが料理なんて適当に毎日作るしかないから調理実習してまで料理なんて作りたいとは思わない。
まぁお金は掛けられないから節約して作ってるからただで作れる分気楽でいいけどな。
「オムライスだってよ、新庄って俺達より料理作らなそうな感じするけど大丈夫か?」
「…………」
「それは決めつけじゃない? もしかしたら凄いかもよ、ねぇ宗方さん?」
「そうなの? 別に興味ない」
「あはは……」
相変わらず微妙な空気感。 一応話に合わせて出来なそうな感じにしていた方が良いのだろうか?
「じゃあまず材料切っていこうね! 私もあまり料理とかって得意じゃなくて」
「お、じゃあ俺やるわ!」
「いや俺が」
2人とも宗方といつの間にか斎藤にもアピールしてるつもりなんだろうが多分宗方は何も感じてないだろうな。 斎藤は宗方と違って律儀に答えてやってるが。
斉藤みたいなのが入ってくるなんてこいつらにも予想外だったのか張り切ってるし。 斎藤は女子達とも普通に仲良いしそれなりに可愛らしい方だしこんな班に来なかった方が良かったんじゃなかろうか?
「いでッ! 指切った」
「ドジだなぁって新庄も何かしろよ!」
「はぁ〜、率先してお前らがなんでもかんでもやろうとしてるから見てようかなって」
実際作って貰えるなら楽でいいやと思ってたのに何しろってんだよ。 あ、そんなやり方じゃまた指切るぞ?
「おい、包丁使う時は指伸ばしてると危ないぞ?」
「あ? そうなの?」
「ほらよそ見すんなよ、こうして軽く握るようにして……」
「新庄君って……」
「ん?」
「あ…… えっとなんか料理出来そう」
斉藤が俺の様子を見て言ってきた。 なんか引いちまったか?
「あー、確かに出来るような口調だよな?」
「いや別に人並みだろ」
「じゃあやってみろよ」
「はぁ? お前らやるんじゃなかったのかよ」
仕方なく玉ねぎやニンジンなどを切っていくと3人から「おおー!」という声が上がった。 そんな大したことか?
「やっぱり新庄君料理出来るんだね! 凄い」
「ただ野菜切ってただけだけど……」
「!! そうそう、そんなん練習すれば出来るぜ!」
「俺も俺も! ちょっとやってみるわ」
「なんか料理出来る人居て得しちゃった」
「こんなんで料理出来る人なのか?」
「まぁ私がヘタッピなだけかな、あはは」
「あいつらが言ってたみたいに練習すればこれくらい誰だって出来るよ…… ってなんだ?」
「あ、ううん! 新庄君って話してみたらなんか普通に話せるんだなぁって。 へ、変な意味じゃないからね、ちょっと雰囲気が話し掛けるなって感じがしてただけで」
「?? あっそ」
やっぱそういう印象なんだな。 今更だけど。
「うん、それにね」
「ねぇ、切ったんなら話してないでさっさと具材入れてくれない?」
「あ、ごめんごめん」
フライパンに油をひいた宗方がこれまたキツめに催促した。 宗方も自分で料理しているであろうからなかなか手際が良かった。
俺らが野菜とか切ったり話しているうちに付け合わせのスープも作ってたようだ。
「凄ーい! 宗方さんも料理上手いんだね!」
「おお、宗方すげぇ……」
「美味しそう」
確かにオムライスの卵を綺麗に包んでる、ライスの炒め方も程良い感じだ。
「ふん……」
でもいちいち突き刺すような態度。 この前のあいつは幻だったんだろうか? というより今日はいつもより若干キツめなような気がする。
「美味しい!」
「うお、ほんとだ」
「これが宗方の手料理か」
「私達でしょ〜?」
「そうだったそうだった」
調理実習も終わり教室に戻るとそのまま昼休みになった。 調理実習があると分かっていたので今日はそれが昼飯だったのですぐに寝れていいやと思い俺は机に突っ伏して寝ようとしてたところ……
「ねえねえ新庄君」
「あ?」
斉藤がこっちを向いて話し掛けてきた。
「今日の調理実習楽しかったね!」
「はぁ? そうか?」
「うん! またあったら一緒に同じ班になりたいくらい」
「ふぅん」
何があったのか1度話して打ち解けたのかたまに斎藤は俺に話し掛けてくるようになっていた。
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