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闇に寄り添い。
毛布に包まれた裸ん坊男女の、それぞれの家族が警察に呼びつけられパトカー2台と自家用車と、そして事後のあとも生々しいワンボックスカーで去ったあと、僕は真っ暗な側溝から道路の下の川である暗渠へと伝って行き、やがてアパートの真裏の側溝の出口である古びた昭和時代に作られたと年月日表示があるのマンホールから身を出した。
「暗闇から漆黒へ、そしてまた暗闇へって、僕は人も寝静まる夜中なのに忙しい♪」
欲求を満たす成果があったことで気分も晴れやかな僕は、いそいそと林の中を軽やかに歩き秘密基地で着替えを始めた。
「あれ?」
全身黒タイツ脱ぎ、目出し帽を取り、灯りもない掘っ立て小屋の中で僕は、僕の肌に衣装の黒塗料がうっすら滲むように色移りしていることに気付く。
「帰ってシャワー浴びれば落ちるでしょう」
とか言いながら僕は、興奮が冷めた勢いもあり、明日は休みなのも手伝って、そのままカビ臭い万年布団に包まり寝てしまっていた。
夜が待ちきれなかった。
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