9人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の午後。
僕は、歩いていた。
風の強い日だった。
空がとても綺麗な夕焼けだった。
空気がすんでいた。
見渡せば山。
新緑をたたえた木々が僕を囲んだいた。
川に足を浸ければ、今まで暑かったのが嘘のように涼しくなる。
夏休みもあと少しとなった今日、僕は一人でキャンプにきていた。
テントをたて終わり、あとは寝るだけ。
後ろで騒いでいた友人達の声はもう聞こえず、鈴虫の声だけが聞こえた。
「...お前らと来れたら良かったよ。」
1年前、友人達とここに来たのが最後に遊んだ記憶だ。
はじめてのキャンプ、はじめての釣り、はじめての炊いたご飯。
何もかもがはじめてで新鮮だった。
友達の死も...。
あれは風が心地よく、良く晴れた日の事だった。
最初のコメントを投稿しよう!