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目を覚ませば友人がいなかった。
今まで共に逃げてきた10数人の友人は気づけば三人になっていた。
ひっしに逃げて、逃げて、逃げて、逃げた。
迫り来る怪物は鍵のかかった校舎の中を追いかけてくる。
気がつけば消えて、気がつけば現れる。
そんな怪物は、僕たちの友人を食べ、殺した。
振り向くな、前を見て走れ。
そして、僕は独りになった。
校舎唯一のガラス張りの教室に着くと、そこには僕と黒い影だけが写っていた。
手に握ったハンマーをそれに向かって振り下ろす。
ガラスの割れる音と共に破片が飛び散る。
外だ。
白い白い世界。太陽が眩しく前を直視することができない。
聞きなれたひどく懐かしい声が聞こえると思い、目を開けると居なくなった友人達が手を振り笑顔で
「こっちにおいで~!」
っと僕を呼んだ。
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