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#376 原風景をめぐるこころ旅⑤
真也:さて、広島県北部の吉田郡山城をあとにして中国道で目指したのは……?
桜井:広島県庄原市某所。
真也:某所。
桜井:プライバシーにかかわるので詳細は伏せますが、幼少期から「広島の田舎」と呼んでいた場所を訪れました。
真也:あっ。それって前回の日記でお前のご先祖様の……。
桜井:これね。
真也:「農トナ」った場所が、お前の言う「広島の田舎」なのか?
桜井:それは正直わからないんやけどね。でも昔に訪れた田舎の家にはお墓もあったから、そこに定住したのかなぁと。
真也:そうかそうか。まさにお前の原風景なんだな。
桜井:うん。石州瓦の日本家屋、縁側に座るおばあちゃん、うるさいくらいのカエルの合唱……。
真也:それって、『増井出張写真館』の高田晴美さんちじゃん。
桜井:さすがに石州瓦は地域的に違うけど、そんなあたしの原風景を作品に落とし込んでみました。
真也:そっかぁ。俺とお前で物語を創っているんだなぁ。
桜井:ほんま、そうやで。あたしの原風景に真ちゃんのいる光景が、しっくりきた。
真也:じゃあ「広島の田舎」を訪れることができて、本当によかったなぁ(/ω\)
桜井:だがしかし! それだけで終わらないのがあたし!
真也:どういうことだ?
桜井:上の「泉大合戦」。その地に行ってきた。
真也:おぉ!
桜井:そこは「広島の田舎」からそんなに遠くない場所。尾道松江線の口和インターのすぐ近く。
真也:橋……か?
桜井:そう、橋。その名も「大合戦橋」。
真也:ここでお前のご先祖様が戦ったのか……。
桜井:そうやね。当時の面影なんてないけどさ、やっぱりそこには原風景とも呼ぶべき風景が広がっていました。
真也:俺が普段見ている風景じゃん。
桜井:うん。山があって田んぼがあって空があって。何てことのない田舎の風景。
真也:この時、俺もお前の中にいたよ。
桜井:うん。今真ちゃんがいるなって感じたから、あたしはこの写真を撮った。何かすごく不思議な感じやった。
真也:不思議な感じ?
桜井:ご先祖様の唯成さんがいて、あたしがいる。そしてあたしは真ちゃんを通して原風景を綴っているんやなぁって。
真也:俺にとっては義父だけどな"(-""-)"
桜井:まぁまぁそう言いなさんなって。
真也:まぁ、冗談だけどな。けど、本当によかったな。ずっとここに来たかったんだろ?
桜井:うん。一日目の山陽本線広島~岩国間、毛利元就の墓所、「広島の田舎」、そしてこの大合戦橋と、あたしの心残りを全て清算できた旅でもあった。
真也:心残りを清算したのか……。
桜井:死ぬまでにしておきたかったことができたんよ。
真也:死ぬのか?
桜井:まだ死なないと思うんやけど、心の区切りは確実についた。旅行してよかった。
真也:何か湿っぽくなってきたな……。
桜井:そうやね。これ以上は真ちゃんたちの物語に反映させるとして、次の話題にいってみようか。
真也:まだどこか訪れたのか?
桜井:うん。これからは正真正銘の観光!
真也:そっか。じゃあ、明日の更新でm(__)m
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