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#020 虫の日だった。
今日は六月四日。虫の日だそうで。車のナビが教えてくれました。
さて、「虫たちの二十四節気」を書くにあたって、決めていたことがあります。それは害虫は書かないこと。
もっとも害虫であるとかそうでないとかは、あくまで人間側の都合。虫たちは自分たちの生を全うしているだけです。でも、例えば死をもたらす感染症を引き起こすこともあるマダニを主人公に据えるのは少し違う。そう思って、害虫は対象外と決めました。
悩んだのは今日のタカラダニ。ゴールデンウィーク頃から梅雨入りまでの間に、コンクリートの上などで見られる赤くて小さな虫です。
最初見かけた時は私も気持ち悪いなぁと思ったし、洗濯物などにつくことがあるのも嫌でした。でも生態が気になって調べてみると、案外かわいいやん!と。つぶれた汁などでかぶれたりする以外は無害な、いわゆる「不快害虫」であることもわかりました。
それなら、いっそのこと彼女らに害はないことを知ってもらえたら、そして「ある時期よく見かけるけど、気づいたらいなくなっている」の正体をわかってもらえたらと思い、筆を執りました。
そういえば、これまで書いてきた虫たちには、裏設定で名前がついているのもいるんですよ。一挙公開してみます。
・小暑のゲンジボタルのオス……源ヒカル
・大暑のクマゼミのメス……セ美
・処暑のショウジョウトンボ……猩太郎
・秋分のアサギマダラの皆様……アツシ、サトシ、銀麗、マサト、だりあ、ラン
・白露のキイロシリアゲアリの女王……誇り高き女王
・小満のオトシブミのメス……フミコ
・立夏のタカラダニの女子たち……あたし、食いしん坊、風紀委員、優等生、ギャル
・小寒のアダンソンハエトリのオス(「密やかな同居人」)……ジャン
(2021.06.04)
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