ひめごと

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 体の奥がウズウズと疼く。  俺はもう、中学に入ったあたりから既にだった。  特殊なサイトで偽名を使って、同じ様な人達と多くの『交流』を持ってきた。  随分と爛れた中学生活だったと思う。  両親にも咎められ、妹には嫌われた。  家ではいつも一人だったからまたネットの波に呑まれる、そんな生活が三年以上続いた。  高校は、そこそこ頭の良くそこそこ不良なんかもいる、どこにでもある普通の高校に下から数えた方が早い成績でなんとか滑り込んだ。  周りには男しかいなくて、数える程の女子はひとクラスにまとめられていたから学校では登下校時以外見かけたことはないし、見かけたとしても話しかけることはないし話し掛けられもしない。  つまりはほぼ男子校といわれる学校だった。だからといって必然的に恋愛対象が男だと言う人ばかりじゃないし、校外に恋人がいる人が多いとも聞いたことがある。  だから、彼が俺に告白してくれたのは、奇跡に近い。  屈託のない笑顔や裏表の無い性格に惹かれた。なによりさり気ない優しさが嬉しかった。好きだ付き合ってくれ。そう言われて二つ返事で応えたはいいけど、過去は消えてくれない。  だから隠すことにしたのだ。何もかもを。  PCは封印した。オモチャは捨てるにはしのびなく、ダンボールに詰めて押し入れの奥底にしまい込んだ。  今の俺の部屋はどこから見ても普通の男の部屋だ。  両親は喜んだし、妹とは数年ぶりに話す事が出来た。  この学校には俺の過去を知る人はいないし、過去は過去として封印したはずだった。  それが―――。
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