第二幕 第二の事件

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 ややあって、その靴は、冬樹の許に届けられた。  ズック靴と呼ばれる、布を用いて作った、ゴム底の白い運動靴だった。  二十八センチで先が尖っているデザインだ。 「思っていたほど、踵がすり減っていないですね」  手袋をした状態で靴を確認していた清貴は、ふと眉根を寄せる。  清貴は、右の靴の外側に染みが付いているのを指差して言った。 「これはなんの染みか、調べてもらえますか?」  冬樹は、分かった、と頷き、すぐに靴を部下に預ける。  その後、靴に残されていた染みは、毒液であったことが分かった。  それは梨に混入された毒物と同じものだったのだ。  同じ頃に、靴の所有者も分かった。  花屋敷家の後継ぎである長男・菊男の物だったのだ。
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