第二幕 第二の事件

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 百合子はソファーに腰を下ろして、ひらがなボードがほしい、という素振りで膝をトントンと叩いて見せた。  すぐに使用人が百合子の膝にひらがなボードを置く。 『とても すべすべした うつくしいはだでした』 「すべすべした、美しい肌?」  自然に皆の視線が、薔子と蘭子に注がれた。  二人とも三十代であるが、瑞々しく美しい肌をしている。 「ちょっ、そんなの当てにならないでしょう? 百合子姉さんなんて、なんにも分からない人なんだから」  蘭子が吐き捨てるように言うと、薔子が即座に窘めた。 「おやめなさい、蘭子」 「だって、薔子姉さんは、こんな不確かな情報で疑いをかけられるのは嫌じゃないの? 私はごめんだわ」  清貴はそんな二人に構うことなく、百合子の前のひらがなボードに質問を並べる。 『だれだと おもいましたか?』
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