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「僕としたことが……。先ほどの件といい、もう『探偵』を名乗るのはおこがましいですね。秋人さん、僕を冗談でも『ホームズ』と呼ぶのをやめてもらえますか? 本家に申し訳ない」
「えっ、ホームズ、何言ってんだよ?」
「今さらながら、出入口が分かったんですよ」
清貴は自分を恥じるように言って、暖炉の前に腰をかがめる。
秋人は、暖炉? と目を凝らした。
「でも、暖炉は侵入不可能なんだろう? 煙突が塞がれてるから、って薔子さんが言ってたじゃん」
そこまで言ったところで秋人は「あーっ」と声を張り上げる。
「ホームズ、俺にも分かっちまった」
「分かりましたか?」
「犯人は、薔子さんなんだな?」
「……どうして、そう思われますか?」
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