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中には、原稿用紙が入っていた。
一枚目には、こう書かれている。
【探偵小説概要】
題名(仮題)『華麗なる一族の悲劇』
著者 花屋敷義春(仮名)
時代背景 現代
舞台 京都でもいいが、あえて特定はさせなくても良い。
構成 一人称
「――っ!」
清貴と秋人は、互いに顔を見合わせる。
「もしかして、義春の書いたという小説か?」
「いえ、本文ではなく、ここに記されているように、これは義春さんの小説の『概要』のようですね」
清貴はそう言って二枚目を確認する。
花屋敷義春の概要は、このようなものだった。
*
■登場人物(人物名は後に少し変更する)
花屋敷 義春(私) 犯人。被害者の夫。
華子(妻) 暴君。被害者。
百合子(継娘) 犯人の継娘。目と耳が不自由。
菊男(長男) 姉弟の順番は、現実と変える。
薔子(長女) 人格者のため、心理的容疑者に。
蘭子(次女) 舞台を賑やかす。
正子(菊男妻) 優しい女性。心理的容疑者2(孫たちは登場させない)
・その他の登場人物
江田 正樹(家庭教師) 好青年。百合子に想いを寄せる。
使用人、コック、庭師など。
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