おまけの掌編

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「私は、コーヒーフレッシュに戸惑ったかな」 「分かる! フレッシュ! あと、スーパーはフレスコ、本屋は大垣書店、パン屋は進々堂とシズヤと東京では馴染みのない店ばかり!」 「言われみれば……」 「特にフレスコは、高くね?」 「高級なものが置いてるよね。私は『なかむら』ばかりだよ」 「『なかむら』?」 「洛北高校近くにあるスーパー」 あー、と彼はうなずく。 「真城さんは、すっかり、根付いてるんだなぁ」 どうだろう? と私は肩をすくめた。 その時、カタン、と二階で音がした。 彼は少し驚いたように天井を仰ぐ。 「二階に誰かいるの?」 「このお店の人が、在庫を調べていて」 ホームズさんは今、二階の在庫をチェックしていた。 「良かった。お化けかと思った」 と、彼は胸に手を当てる。 お化けって、と私は頬を緩ませた。
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