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「ゼミのメンバー、みんな地元民だし、真城さんなら、同じ観光客目線での京都を案内してくれそうだと思って」
まぁ、言っていることは分からないでもない。
だけど……。
「でも、やっぱり二人きりでは、ちょっと」
「真城さんって、真面目なんだね」
彼は拍子抜けしたように言って、頬杖をつく。
ノリが悪いと思ったのか、急に不機嫌そうだ。
「あ、ええと、真面目というより……」
その時だ。
「すぐ近くに、その彼氏がいるからですよ」
二階の方から声がした。
私たちは弾かれたように顔を上げる。
スーツ姿のホームズさんが、階段を下りてきていた。
彼は大きく目を開いて、ホームズさんを見ている。
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