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「ざっと伝えると、当主の義春、その妻・華子。
夫婦の間には子どもが三人。
長女、次女、そして末っ子の長男。
三人ともいい大人だ。
また華子夫人には離婚歴がある。
前夫の名前は佐伯正孝。彼との間にできた長女も同居している」
「つまり、三人姉弟にプラスで異父姉がいる、結局は四人姉弟ってことだ」
確認する秋人の横で、冬樹が、ああ、と頷いた。
「そして姉弟の中で、末の長男だけが結婚していて、妻と二人の息子も同居している」
「当主夫婦二人、四人の姉弟、長男の嫁に息子二人、これで九人だな」
秋人は指折り数えて、分かった、とつぶやいた。
清貴は、そっと口の前に人差し指を立てる。
「まぁ、当主の義春は亡くなったので、今は八人家族ということですね」
「あ、そっか。婿養子当主は、海で遺体となって発見されたんだもんな」
秋人は、今思い出したように言う。
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