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話ってなんだろう、そもそも影山君が私に話しかけることすら今までめったになかったのに。
それに、影山君からの話って言われるとなんだか変に緊張する。
「放課後、図書室に来てくれる? 実は、大事な話があるんだよね」
「大事な話……、えーっとどんな感じの?」
ちょっと話の内容を聞くのは変だったかな……?
でもダメって言われたものをやりたくなるって言うのと同じみたいに大事な話って言われると気になるよね。
すると、影山君はうーん、といいながら目を泳がせた。
よっぽどここじゃ言いにくいのかな?
それって、もしかして——。
「と、とにかく、放課後に図書室に来て」
影山君はそこまで言うと図書室の入り口に向かおうとする。
「えっ......、ちょっと影山君⁉」
朱音はあわてて引き留めようと、手を伸ばす。
すると、影山君は足を止めて私のほうに近づき——
「ヒント、借りている本とカギ」
影山君が朱音の耳元でボソッと優しい声でささやいた。
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