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ほのぼの温泉を楽しんでいる中、やはりそれは聞こえてくる。
「離せ! 覗きというロマンを遂行させろ! 覗きはロマン! ロマンは覗き! 」
間違いなく伊織先生が、俺らを覗きに向かっている。大人にょたたちが阻止しているのだろう。
「そこで止まらなければ写真集の重版はないぞ? 」
本乃編集長の声。いや重版されなかったら俺らも困っちゃうんだけど……。
「ふはははは! 私という才能はそれくらいの脅しには屈しない! 」
そこは屈してくれよ。
「アッキー&マッキーとお風呂なくなるかもよ? 」
うたうものさんの声。やっぱり脅し。
「アッキー&マッキーが私を見捨てる訳ないだろ! 」
すげー自信だな……。
「来年、温泉旅行が中止になりますぞ? 」
五丁目さんの声。それは俺らもやだ。
「何だと!? わざわざ旅館を貸し切りにしているのに!? 」
効果はあったようだ。
「全く伊織先生は困った人ですね。せっかくの美人が台無しですね」
タッくんの声。去年、俺に授けた策と同じじゃねーか。
「美人!? 私が美人だと!? 」
「きっと温泉街に行けば素敵な女性をナンパできますよ」
畳み掛けるなタッくん。去年と似たような流れだけど。
「うふふふ! そうだよね! 覗きより、もっといいことあるよね! ちょっくらナンパしてくる! 」
どうやら伊織先生を撃退したようだが、なんで去年の同じ方法で撃退されるんだよ。学習能力ないのかな、伊織先生。
「げたんわくーん、伊織先生を撃退したみたいだよーー」
俺はサウナにこもるげたんわくんに声をかけてサウナの扉を開けたが、げたんわくんは倒れていた。
「暑いの……」
当たり前だよ。とっとと水風呂入れ。ムキムキのげたんわくんでも覗かれるのはイヤなんだなぁ。
五月後半に続くよーー!
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