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「…鬼木、貴方1人がやってくれないせいで可愛い後輩が襲われでもしたらどうするんですか?そうなったら貴方のせいですよ」
神宮路先輩の冷たい視線にうぐ、と鬼木先輩がたじろぐ。
「ほ、本当にすみません…」
「桜舞くんが気にする必要はありません。この学園がちょっとおかしいんです。いくら閉鎖的な空間だからといって、悪趣味な人が多すぎますからね。風紀委員にしろ…まぁとにかく、今の生徒会に考え方がおかしな人がいないことは救いです」
神宮路先輩は微笑んで俺の頭を撫でてくれる。罪悪感でいっぱいだったけど、頭を撫でられたことで安心感が湧いた。
「しかし3年生が急に3人で桜舞くんとイチャイチャしに行くというのも現実的ではありませんね。……そうですね、来週から1人ずつ桜舞くんと行動を共にするというのは?昼食や夕食、部屋での時間なんかを」
「部屋ァ?部屋まで来させる必要あんのかよ」
「部屋に入っていくところを誰かに見られればお気に入りな事は分かるでしょう」
……なんというか、神宮路先輩って何もかもが計画的だな。流石頭がいいって感じで理論的だし、もしもの事を考えて常に動いていてカッコイイ。見た目は美人な感じなのにハッキリしているから女っぽい訳でもなくて…。
俺も神宮路先輩路線を目指すべきだろうか?
「…鳴宮くん。そんなふうに睨まなくても本当に手を出すわけじゃありませんから」
小さな声で神宮路先輩が海斗にそっと耳打ちをしたのに俺は気付かなかった。
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