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作戦決行
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そして月曜日。
今日は憐さんと行動を一緒にする日だ。
「…桜舞、迎えに来た」
昼食の時間になったら憐さんが俺の教室まで来たものだから、可愛い男の子たちから盛大に悲鳴が上がっていた。憐さんはその悲鳴にも慣れていると言わんばかりに表情を変えない。
俺のためだと分かってはいても、憐さんといると人からの注目され具合が段違いだ。
俺は目を輝かせている久下くんに挨拶を軽くして、憐さんの元へ向かう。
1度食堂に向かったけど、あまりにも悲鳴がうるさかったので俺たちは食事を持って庭に出た。
東先輩がいた庭は小さくて落ち着く所だったけど、こっちの庭は大きくて人が結構いる。でも食堂の悲鳴の大きさよりはマシだ。
ベンチに腰掛けて、食事を取る。
「…憐さんすみません。俺のせいで…生徒会のお仕事とか忙しいですよね?」
俺がそう口に出すと、憐さんは俺を見て男でもドキドキするくらいの笑顔を向けた。
「桜舞ならいい」
…………それ、憐さんの事が好きな子には言わない方がいいような気がする…。
「憐さん、それあんまり他の子に言わない方がいいと思います…」
「?他に言う予定はない。桜舞だから言った」
………………。
……。
もぉぉぉ!!!!
俺にその気がなくても憐さんくらいの美形に真っ直ぐ見つめられてそんな勘違いするような事言われたら普通にドキドキしてしまう。
そっと、憐さんの手が俺の頬を触る。
「桜舞、顔が赤い。具合が悪いのか?」
「憐さんのせいなんですけど……」
「俺のせい??」
憐さんは訳が分からないようにきょとんとしている。
…気付いてしまったけど、憐さんは無自覚天然たらしでしかも鈍感で美形だっていうラブコメ主人公みたいな性格をしている。
そりゃ親衛隊も大きくなるよ。本気になる子も出るよ。過激派も増えるよ!!
俺はそう心の中で毒づきながら手に持っていたパンにかぶりついた。
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