27人が本棚に入れています
本棚に追加
マジかよ
中3、最後の大会だし、一応気合いも入る。
メンバーにも恵まれていると思っていたし、身長182の俺は185がチームメイトに居てゴール下には絶対の自信があった。
中学生で180ある奴とかそんな居ないし。
とりあえずボールを運んできた170そこそこの奴らから余裕でパスを受けてミドルを打つか、パスしてあいつがゴールに叩き込む。
リバウンドも譲る気はないし、実際問題ほぼこっちのペース。
秋も春もそれで優勝していたのもあって、俺は今回もイケると思いつつ……やっぱり最後ってのでテンションは上がっていたんだろうな。
準決勝、早々と勝ちを決めてまだ決着のつかないもう1つの試合をたまたま見た俺はそのシーソーゲームに目を奪われた。
俺たちの試合の隣でこんな試合をされていたなんて……悔しかった。
でも、その勝者とやれる……あのポストプレーまだまだだな。潰してやる……。
口の端が上がるのを感じつつ、髪をかき上げた俺は立ち上がってコートを去ろうとして……歓声を聞いてまた目を戻した。
土壇場のスリー。残り6秒で必死のパス。
……そっちのチームかよ。
「あのスリー、ヤベェな」
呟くチームメイトを冷めた目で見て、俺はさっさとコートを後にした。
最初のコメントを投稿しよう!