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Run!
夜の帳が下りると、風が心地よく吹いてきて新しいネタも浮かんできそうだ。
弥々木公園、午後8時。陽が長くても陽が短くてもこの時間には暗闇になる。
僕(僕の名前は清水直人という)は街灯の下のベンチでネタの台本を読みながら、相方の京平を待つ。
アイツはいつも8時に来たためしがない。いつも10分、20分と遅刻する。
どこか俺様的な態度だけど、憎めないんだ。なんたって京平のボケは天下一品なのだから仕方ない。
そう。僕らは『ノーヴェンバー』。 コントを得意とする芸人コンビである。
今年で芸歴4年目。僕は今年24歳になる。京平は1歳下の23歳。
僕がどうしても「芸人になる!」という思いで、大学を辞めたのが20歳の時。京平とは『東京お笑いアカデミー』という養成所で出会った。京平が「一発ギャグやります」って米津○師のくねくねダンスを披露したのを、僕が一目惚れして声をかけたのだ。
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