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けたゝましく飛び交う
野次馬たちの声
不安を囀るものあらば
驚嘆を隠さずにいるものあり
そんな民衆の真ん中にいるのは
幾日前の出逢い
それがすべての間違いだった
小さな身体を預けて求めた
こんな常の世から逃げ出したいと
私の足を掴んで 毎夜ずるずると這い上がる
わたしに何を求めているのか
けたゝましく飛び交う
野次馬たちの声
顔を顰めるものあらば
不快を隠さずにいるものあり
そんな民衆の真ん中にいるのは
酒の席での約束ごと
生憎記憶にございません
そういうことに しておきましょうか
けたゝましく飛び交う
野次馬たちの声は無音に
震える手で
そなたは私の足を掴む
這い上がれるはずもなく
何が正しいのかは わからない
ひとつだけ言えるのは
裏切るべくして 裏切った
そなたの為に
小さな身体を預けて求めた
こんな常の世から逃げ出したいと
私の足を掴んで 毎夜ずるずると這い上がる
あまり私を責めないでおくれ
裏切るほうも
心は痛むものなのだから
今宵もそなたは 這い上がる
助けを求めてか 私への怨みか
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