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あれから月日は流れ私は母になった。
24時間365日休みと言う日は無い。
今一番何が欲しい?と聞かれれば間違いなく「睡眠時間」と答えるだろう…。
我が子の寝顔を見ながら呟いた。
「お母さんてこんなに大変なんだ」
初めて母を凄いと思った。
そして感謝した。
我が子のする事、表情ひとつひとつが愛おいしく、全てをかけて守りたいと思った。
そんな我が子を捨て男に走った母の気持ちがわからなかった。
憎しみさえ覚えた。
孫を抱き嬉しそうに微笑む母の顔を見たかった。この子を抱かせたかった。
悲しくて涙が出た。
お婆ちゃんが大事に取っておいてくれた私が使っていた手編みのミトンを我が子に被せて呟いた。
全部の気持ちを言わせてくれない母に向かって…。
「ずるいよお母さん…」
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