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僕は いつも『死』を考えていた。自分がどこの誰なのか、わからないまま、時だけが過ぎている。まさか殺人でも犯して、東京に逃げて来たんじゃないだろうか とか 刑務所から脱走したんじゃないか とか。 魘され、恐ろしい夢を見て飛び起きたことが何度とある。 胸の中に濡れた雑巾があるような、気持ちが悪いもんだ。警察は来てないのだから、さほど悪いことをしてたとは思えない。 僕が死ねば美崎はきっと楽になるだろう。こんな手の掛かる親父はいない方がましだ…。
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