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* 「いらっしゃいませ!片山さん。お待ちしておりました。」 3ヶ月後 僕はアパートを引き払った。僕は今、自動車中古車センターで整備士をやっている。少しずつだが過去の記憶が甦りつつある。 * 「お父さん 後ろ大丈夫?」美崎のネックレスには、母の指輪が光っていた。 「しっかり掴まってろ」 「お父さん ゆっくりね」 バイクはゆっくりと動き出した。風を切る。“あ…ぁ なんて気持ちいいんだ” ━明恵の息づかいが聞こえる━ 「 日光 サイコー!トシ…も!」 「聞こえないぞー!」 「トシ…紅葉サイコー!」 「なんだそれ!ははは」 明恵の声が聞こえた。甘酸っぱい思い出に胸が痛くなった。 「お父さ… サイコー!」 「…」 「お父さん… サイコーだね!」 美崎だ! あぁ… 俺の大事な娘だ。 「チキショー !」 “ 何が 何でも 美崎と生き抜いてやる。見ててくれ明恵” 父と娘は、今、ゆっくり、ゆっくり、自分達の道を探るかのように、虹色の森のトンネルの中に消えて行った。 【完】
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