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「私…高校辞めて働くから」美崎は当たり前だよね みたいにサラリと言ってのけた。
僕は一瞬箸が止まった。辞めるなとも辞めろとも言えない。僕は右手が震えだして何度も芋を箸で掴めないでいる…明恵教えてくれ。
「少しだけ待ってくれないか。」やっと言えた時には、三崎はごちそうさまと席を立った。
“本当にすまん 若いのに苦労させて”
僕は落ち着きなく、オロオロするだけだけだ。猿の方がまだましだ。
明恵のお骨は、2DKの安アパートのテーブル椅子に置かれたまま、かれこれ3ヶ月が経っている。どうするのか先はまだ検討がつかない。
明恵がガンで入院した時から、17才になった美崎が僕の生活を見ている始末。
まともな職もない男に惚れる女がいたのが信じられないくらいだ。僕は誰にも必要とされてない。自分でも嫌になる。
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