4

1/1
前へ
/10ページ
次へ

4

「どうかしたの?さっきから変だよ」 「う うん。 今日、遺品の整理をしたんだが、日記を見つけたんだ。ほら」 と、ぶっきらぼうに日記を投げた。 “これ お母さんの日記だ” 「あ これ 高校の時のお母さんだよ。これって…彼とか?」 お父さんは唇をキュッと結び、ムッとした顔を一瞬した。 「あ お父さん 保険金下りるみたいだから安心して!お母さんが保険屋さんに話して、手続きしてくれたから」 「それは 良かったな」本当に安心したように目が輝いた。 「ところで、ここってどうやって行くの?」 「今井市はお母さんの実家だよ。私も行きたかったの久しぶりに。行こうよ!」 “子供の頃、何度か夏休みに行ったことあるのに、もう忘れてる” “お爺ちゃん、もう…疲れちゃった。お母さん…美崎はもうダメだよ。お父さんとこれから二人きりなんて無理” * ━ガタンゴトン━ 結局、今市市に私たち親子は向かっていた。お父さんは特に変わりなく、ボーッとただ窓の景色を眺めている。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加