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「どうかしたの?さっきから変だよ」
「う うん。 今日、遺品の整理をしたんだが、日記を見つけたんだ。ほら」
と、ぶっきらぼうに日記を投げた。
“これ お母さんの日記だ”
「あ これ 高校の時のお母さんだよ。これって…彼とか?」 お父さんは唇をキュッと結び、ムッとした顔を一瞬した。
「あ お父さん 保険金下りるみたいだから安心して!お母さんが保険屋さんに話して、手続きしてくれたから」
「それは 良かったな」本当に安心したように目が輝いた。
「ところで、ここってどうやって行くの?」
「今井市はお母さんの実家だよ。私も行きたかったの久しぶりに。行こうよ!」
“子供の頃、何度か夏休みに行ったことあるのに、もう忘れてる”
“お爺ちゃん、もう…疲れちゃった。お母さん…美崎はもうダメだよ。お父さんとこれから二人きりなんて無理”
*
━ガタンゴトン━
結局、今市市に私たち親子は向かっていた。お父さんは特に変わりなく、ボーッとただ窓の景色を眺めている。
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