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迎えてくれたのは明恵の兄夫婦だった。兄はいちご農家の跡取りで、品評会では、いつも上位に食い込むようだ。「俊樹さん疲れたでしょう。」と忙しそうに作業着のまま迎えに来てくれた。
ただただ広い応接間に通された。襖を開けて床の間には、掛け軸が飾っている。僕は仏壇に妻の遺骨を置き線香をあげた。妻の話や、これからの話を聞いたが、先は長くないだろう僕は上の空だ。ただあの写真の男に会って見たかった。それしか頭になかった。
妻の親父さんに写真を見せると、バイクに乗った人は明恵と同級生の宮内君で、自動車の修理工場にいるらしい。もう1人については黙っていた。『その人は遠くへ行ったみたいだよね』と義兄は目配せしていた。
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