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♯1 【ナポレオン】&ノア
オレの頭上を飛び回りながらカラフルなインコが甲高い声で喚きたてた。
《我が輩の辞書には、不可能も解けへん謎もないンやァ〜!!》
唐突に、恥ずかしげもなく叫んでいる。
周辺の通行人が眉をひそめた。
「おいおい、静かにしろよ」
オレも肩をすくめて呆れるばかりだ。
珍妙なインコの名前は【ナポレオン】。
オレの飼っているゴライアスタイプの大きなインコだ。
胴体は黄色で青い羽根、そして真っ赤な鶏冠がトレードマークだ。
自称天才インコと言うが、実際は、一度も事件を解決したことのない『ポンコツ探偵』だ。
しかも可愛らしい女子から妖艶なセクシー美女まで女性には目がない。
今日も、街角で美少女を見つけてはナンパしている。
《よォ、そこの美少女!!
我が輩と一緒にモーニングコーヒー飲まへん》
下ネタ大好きのエロインコだ。
「ふン……」
まったく下手な関西弁を使いやがって。
「ヤダァ〜……」美少女はオレを睨みつけ、逃げるように立ち去っていく。
「ンゥ……」
まったくオレは関係ないのに。
コイツのおかげで、飼い主のオレが失恋れた気分だ。
ナポレオンはテレビに映るお笑い芸人、【関西バッドBOYZ】のファンで、しょっちゅう見ている内に『エセ関西弁』を操るようになった。
オレの名前は、大和ノア。
取り敢えず、ジャ○ーズ系イケメンと言うことにしておこう。
小学校二年生の時にUFOに誘拐われ、額に大きな✕印のキズ痕跡が残った。もちろん拐われる前は無キズだった。
いわゆる日本では珍しい《エイリアン アブダクティ》だ。
その後、いくつかの予知夢を見た。
あの大震災も数カ月前に予言している。
それを聞きつけた敏腕プロデューサーが、オレを大々的に売り出した。
番組は当初、大当たりしオレは超能力少年として一世を風靡したが、番組でヤラセ演出がバレて大騒ぎになり降板した。
それからのオレは悲惨な学生生活を送っている。
『ニセエスパー』と呼ばれ、さんざんイジメに遭っていた。
断っておくがヤラセ演出には、何も関わっていない。テレビ局のプロデューサーの意向だ。
そんなオレとナポレオンが数々の謎を解き明かしていく事になった。
そして、オレは子供の頃に失踪したお母さんを探していた。
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