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突然の邂逅
ある日、悲しみの匂いを探し求めて歩いていた時。
その匂いの先に居たのは、魔女様。
魔女という存在のことは、もう知っていた。
一番強くて、一番偉い魔法使い。
けど、魔女様はもう何もできなくなっていた。
絶望してしまっていた。
でも、そういう人を、助けてあげるのが私。
私が話しかけても、ほとんど反応しない。
でも、助けてあげることを伝えたら、少し嬉しそうにしてた。
だから、いつものように、食べてあげる。
その前に、思い出した。
魔女の体は、再生するってこと。
でも、目の前の魔女様の体は、少しも再生しない。
ああ、そうか。
私、魔女だったんだ。
気づいたのはその時。
これはきっと、引き継ぎということなんだと思った。
流れてきたのは、とてもとても苦しい記憶。
大好きな人を残酷な形で失って、また失って。
辛かったよね。
私が必ず、救ってみせるから。
「こんなの……違う!」
誰かの声が聞こえた。
けれどいいんだ。
違うはずがないから。
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