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裏切り者の最期
奇妙なことに、私に襲いかかろうとする人達が増えた。
気になって、ある日、襲撃者達のリーダーらしき人に聞いてみた。
私が恋した人から、聞いたらしい。
私が、人殺しをしているって。
悪いことをしているって。
だから、思い切って聞いてみた。
これは、本当なのかと。
「本当だ。俺がお前に近付いたのは、監視の為なんだ。予想通りすぎたよ、この化け物め!」
とんでもない思い違い。
だから諭してあげる。
「それはとんでもない誤解だよ。私は自分で生きていけない人を食べてあげることで精神を一体化させて、一緒に人助けをしてる。何が悪いのかな?」
「そんな人達だって、その時苦しんでただろう!死にたくないと!」
いい加減、考えを変えてもらえないと疲れる。だから、最後通牒。はっきり言ってやる。
「うん。だから生かしてあげてるんだよ。私の中で。とても幸せだね。アナタはどう思う?それでも私は怪物?」
「そうに決まってるだろ」
まさかの即答。
なんで。なんでなんで。なんでなんでなんで。
頼むから、違うって言ってよ。
大切な人に、否定されたくない。
大切な人を、殺したくない。
でも、どうしようもないから殺した。
初めて、人助けのためじゃなく、人殺しのために人の肉を食べた。
心は虚しかったけど、感触はいつも通りだった。
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