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怪物、朽ち果てる
流石は私の弟子、と言わざるを得ない強さ。
けれど、私を殺そうというのなら、それは無理。
私の肉体は、再生する。
再生しない。
どうして?
まさか、この姉妹が、魔女?
どっちが魔女なのか、それだけでも見定めないと。
ああ、もうそんな頃になっていたんだ。
もう私、死ぬんだ。
だから見ておこう。
彼女達の強さを。
妹の攻撃が、私の体を確実に抉る。
魔女は妹だった。
姉も魔女の力が無いでもないけど、ちょっと分けられている程度。
これさえ分かれば、私の役目はおしまい。
おしまい?
そんなわけがない。
まだ色んな人が私を待っている。
そうだ、それなら。
「私を食べて、一緒になって、これからも人助けをしよう!」
はっきり言って。
これはダメ元だった。
そして当然ながら、聞き入れてもらえやしなかった。
「とっとと失せて。何万人殺したと思ってるの?」
結局、私はただの人殺し扱いをされて、殺される。
恋人にも愛弟子にも、善意を全く理解してもらえないなんて。
なんて可哀想なんだろう、私。
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