試練

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試練

声がした方をぼうっと見ていると明らかに子供が何かを運んで来ている。 カシャカシャと音を立てながら持ってきているのはおそらくアルミのお盆に入った夕食の様だ。 あまりにも遅いので持ってきてくれたのだろう。 近づくと10歳くらいの女の子でやはり白装束なのだが、何故か赤のラインが入っている。 まさか?子供なのに導師なのか? 「これどうぞ」 女の子はそういうとお盆を差し出した。 「あ、あ、ありがとう」 俺はなぜか(ども)ってしまった。 「君名前は?」 「赤川ミキ」 「へ、へー良い名前だね」 「お母さんはねーここの偉い人なんだよ」 「へ、へーそりゃ凄い」 そうか、なるほど、どうりでどこかで見たと思ったらあの赤の導師に顔がそっくりだ、まさか……子供? ていうか、、、本当に、、俺のどストライクなんだが、、あの女……俺の素性を知ってる筈だよな? 罠? 「あの……お風呂に入りたい」 「へ?」 「おじさんの部屋のお風呂貸してくれない?」 「へ?俺の?」 部屋の中をよく確かめて無かったがお風呂も付いてるのか……。 「あ、あぁ、もちろん」 まぁ、なんだ、これは仕方ない流れだし断るのはむしろ不自然だよな。 「やったー」 女の子は喜んでいる。 「そ、そうだ、おじさんも入りたいな」 「え?」 「一緒に、、、ダメかな?」 「うーん、どうしよう」 「良いじゃないお風呂貸してあげるんだから」 「うーん、うん」 よしよし良い子だ、、、。 夕飯を持ちなながら女の子の肩に軽く手を乗せた。 次の瞬間……世界が暗転した。
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