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「あっ、あっ、あぁっ! ああっ、黒曜、さまっ……!」
「くっ……きつい、な。しかし、よく解れてきた」
「良い声で鳴くのう、巴よ。そんなに黒いのの一物は好いか? ちと妬けるなあ」
「はぁっ、あっ、申しわけ、ありませ……っ、私ばかり、気持ち良くしていただいて……」
黒曜様の楔で奥深くまで貫かれ、私は我を忘れそうになるほどの快感に襲われていた。
太く逞しい剛直が膣壁を擦るたびに甲高い喘ぎが漏れて、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆う。しかし、お二人によってすぐにその手は剥がされてしまった。
「隠すな、巴」
「愛らしい姿を隠すなど勿体ない。すべて我らに見せてくれ」
「あ、ああっ……は、い」
いつになく蜜で濡れた胎内を掻き回され、口の端から唾液が漏れる。そんなはしたない姿を晒しているというのに、お二人はただただ慈愛と興奮に満ちた眼差しで私を見つめていた。
不出来な私の何もかもを許してくださるかのようなその美しい人外の瞳に、私はすっかり魅入られてしまう。
「さて。そろそろ、我も巴の中に入りたいところだが……」
「……まだ、代わってやらんぞ」
「はは、そう来ると思ったわ。ならば、こちらで受け止めてもらうしかあるまい」
お二人で何やら言葉を交わしたかと思うと、私の胸を撫で回していた白磁様の手のひらが臀部に移動した。途端に黒曜様は怪訝な顔をなさって、「無理をさせるなよ」とぴしゃりと忠告する。
「巴よ、こちらはあの男に使わせてはおらぬだろう? 我も早く巴と繋がりたいゆえな。少し、触れさせてもらってもいいか?」
黒曜様の忠告には返さず、白磁様は私に問いかけてくる。
その意味を理解できずに困惑していると、白磁様の綺麗な指先が窄まった後ろの蕾をくすぐった。
「えっ……!? いやっ、だめです! そ、そこは、不浄の……!」
「ふむ。我に触れられるのは嫌か?」
「い、いえ、白磁様が嫌というわけではなくっ……! その、そこは、き、汚いから……」
「なるほど、分かった。汚くなければ触れてもよいのだな」
白磁様はそう勝手に納得すると、ご自身の指を一本、私の後ろの穴に差し込んだ。おそらく第一関節ほどまでしか侵入されていないだろうが、それでもやはり違和感は拭えず顔が引き攣る。
慣れない感覚に戸惑う私を後目に、白磁様はにやりと笑うとすぐに指を引き抜いた。
「さて、これで巴の言う不浄は解消された」
「えっ……う、うそ」
「嘘などではない。なんだ、黒いのと目合うのに夢中で気付かなんだか? 不浄ではなくなったのだから、遠慮なく触れさせてもらうぞ」
いつになく急いた様子の白磁様が、今一度私の蕾に人差し指を挿入する。いつの間にかその指は滑りを帯びていて、拒む間もなくぬるぬると奥まで侵入を果たした。
「ぅあ、あああっ……! やぁっ、は、白磁さまぁっ」
「はは、さすがにまだ硬いのう。前に黒いのが入っているせいか、ぎゅうぎゅうに締め付けてくる」
「ひあぁっ、な、これ、なにっ……、へ、変です、白磁様っ」
「なに、心配せずともよい。こちらもよく解してから挿れるからな。だから、安心して善がっていろ」
白磁様の指が、何度も出入りを繰り返す。
排泄器官であるはずの窄まりに指を一本抜き差しされているだけだというのに、私の体は確実にそれを快感と捉えていた。
「なんだ、巴。こちらは初めてという割に、存外好さそうではないか」
「う、うぅっ……も、しわけ、ありません、あっ、は、はしたなくてっ……!」
「ああ、すまぬ。おぬしを責めているわけではない。あまり反応が良いものだから、年甲斐も無く興奮してしまってのう」
蕾に埋め込まれる指が、二本に増やされた。
異物感はあるものの、不思議と痛みはない。黒曜様のものを受け入れている前の穴がたっぷりと蜜をあふれさせているせいか、白磁様の指が行き来するたびにぬちゅぬちゅと淫らな音が聞こえてくる。
後ろの穴を刺激されると同時に膣壁までもが収縮するようで、白磁様の指が気持ちのいいところを抉るたびに黒曜様の眉間に皺が寄った。その表情を目にするだけで、また新たな蜜が流れ出てゆく。
──気持ちいい。
黒曜様も白磁様も、まるで宝玉を扱うかのごとく丁寧に、大切に私を抱いてくださる。
八つ当たりの道具にされることもなければ、謂れのない言いがかりをつけられることもない。もう、愛のない営みに苦しまなくてもいいのだ。
白磁様の指が引き抜かれ、代わりに熱い先端が押し当てられる。
二本の楔に貫かれたら、どうなってしまうのだろう。
少しの不安はあるものの、私はただ静かにその時を待ち侘びた。ふたりの妖狐に乱される畏怖よりも、これから彼らの花嫁となれることがこの上なく幸せに思えた。
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