狐火の夜

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 黒と白の美しい狐に囲まれながら、私はぼんやりとその光景を眺める。すると、胎内に納められたままの二つの熱杭がずくんと脈打った。 「はあっ、ああっ……!」 「営みの途中で悪かったのう、巴。だが、これでもう我らを邪魔する者はおらぬ」 「ああ。この家の者らは燃やしたから、おまえの家族が憂き目に遭うこともない」  黒と白の狐──いや、私の旦那様がたが、そっと頬を撫でてくださる。  その優しい感触に思わず目を細めると、前と後ろを塞ぐ滾りが一際動きを早めた。 「あっ、ああぁっ! 黒曜様、白磁様っ……! ありがとう、ございます……っ、巴は、おふたりに嫁入りできて、しあわせです」 「これはこれは、健気な嫁御じゃ。尚のこと可愛がりたくなるのう」 「巴……っ、愛している」  前後から身体を抱きしめられると、まるで三人で一つの存在になったかのような錯覚に陥った。  そして、前後で行われる抽送に耐えきれず私が絶頂を極めたその後、お二人もまた限界に達したようだった。 「はぁっ、巴……!」 「我らの子種、その身でしかと受け止めてくれ……っ!」  お二人が息を詰めたかと思うと、熱い迸りが勢いよく私のなかに吐き出される。  二つの穴に埋め込まれたままの御自身が、どくどくと静かに脈打つ。その動きに合わせて、吐精は止まることなく続いた。 「あっ、んうぅ──っ! っひ、も、抜いてぇっ、抜いてくださいっ」 「それは、できぬな……っ、ああ、巴の体が、我らで満ちていく。たまらんのう」 「すまん、巴……もうしばらく、耐えてくれ」  ぶびゅ、と生々しい音を立てて、入りきらず溢れ出たお二人の精液が交わり垂れていく。私の内腿は大量の白濁で濡れ、脚を伝って床まで落ちていった。それでもまだ、白磁様と黒曜様の一物は私の胎内に精を吐き出し続けている。 「ぅあ、ああああっ……! もうやぁ、はいらないっ、これ以上はむりです、黒曜様、白磁様ぁっ!」 「ふむ、おかしいのう……栓をしているはずだが、ほとんど漏れ出てしまうなあ」 「当たり前だ。巴は人間なのだから、我らの精を全て飲み込めるわけがないだろう」 「おお、そうか。すっかり失念しておった」  ぼろぼろと泣きながら「抜いてください」と訴える私を、お二人は幼子をあやすように優しい眼差しで見下ろしている。よしよし、と頭を撫でてくださるけれど、下半身は容赦なく私の胎内を犯したままだ。 「すまぬな、巴。人間の男より、我らは少しばかり子種の量が多いらしい」 「少しばかり、ではないがな」 「はは、そうじゃのう。少々辛いかもしれぬが、受け止めてくれ」 「あ、ああっ……、は、い」  際限なく続く吐精に、段々と意識が薄らいでくる。  両の穴にたっぷりと注ぎ込まれた子種が、腹の内に溜まっていくのが分かる。重く苦しいはずなのに、不快感はなくただただ満ち足りた思いがした。  次は我が前に挿れたいのう、と呟く白磁様と、ため息をつきつつも否定をしない黒曜様の顔を交互に見上げる。二人の優しい旦那様に恵まれた自分が、この世で一番幸せな花嫁なのだと確信した。 「もう、他の人間たちの好きにはさせん。人の子の手の届かぬところへ、連れて行ってやる」 「愛しい巴。永久に、我らと共にあろう」  己に向かって伸ばされた二つの手を取り、静かに頷く。美しく燃える狐火の中、私は彼らの花嫁となった。
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