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つくづく哀れな男じゃ、と白磁様は心底おかしそうに言った。その意味をやっと理解して、思わず嘲笑が漏れる。
「お二人には、お分かりになるのですか」
「ああ、別段知りたくもなかったがのう。どちらにせよ、いずれ巴を娶ろうと思っていたことに変わりはない」
「そうだ。初めておまえに話しかけたあの日から決めていた」
両側に感じるお二人の体の熱さに、うっとりと目を細める。こんなにも熱心に私を愛し慈しんでくださる方がいるのに、なぜあんな男に身を捧げ続けていたのだろう。つい先程まで当たり前に感じていた日常が、途端に空虚で馬鹿らしいものに感じられた。
しかし、それももうどうでもいい。今日のこの日から、私はふたりのお狐様の花嫁となるのだ。
「我にも口を吸わせてくれるか? 巴よ」
「ん……はい。どうぞ、白磁様のお好きなように」
「ふふ、そうかそうか。健気な嫁御じゃのう。では代われ、黒いの」
私の唇を啄んでいた黒曜様を押し退けると、白磁様は薄い唇をそっと押し当てた。舌先でちろちろと擽るように唇を舐められたかと思えば、ふとした瞬間に歯で甘噛みされ、その緩急に私は成すすべもなく溺れていく。
そうしている間に、今度は黒曜様がしとどに濡れた陰部を撫で上げた。くちゅ、といやらしい水音がして思わず頬を染めると、お二人は嬉しそうに責めの手を早める。
「指を挿れる。痛かったら言え」
「あっ……は、い」
頷くと、黒曜様の太くごつごつとした指がゆっくりと膣内に入ってくる。痛みがくるかと身構えていたのに、いつになく蜜をあふれさせている体は難なく彼の指を受け入れた。
「んっ、ああっ! 黒曜、さまっ」
「確かに、よく濡れている。おまえの好いところはどこだ? 巴」
「え、あ、ああっ、そんなの、知りません……」
「そうか。ならば、見つけてやろう。俺にもたれかかって、力を抜いていろ」
言いつけ通り、背中を黒曜様に預ける形で体重をかける。頑強な体躯の黒曜様は、微塵もよろめくことなく私の体を支えてくださった。さらけ出される格好になった両の胸は白磁様の手によって揉まれ、甘い痺れをもたらしてくる。
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