16人が本棚に入れています
本棚に追加
【UFOとペヤング】の仲間 沖田
「沖田、見てほしいものがあるんだ」【UFOとペヤング】以来の友人は夜にはやってきた。
「見てほしいって娘さんか? 親ばかだなお前」笑顔の沖田に優華が微笑みを返した。
「冗談はそこまで。モニターを見てくれ、核だろうこれ。どれぐらいの被害になる?」
食い入るようにモニターを見ていた沖田が険しい顔で答えた。
「だな。普通のミサイルではこうはならない。二百五十キロトンの核ミサイル一発が東京中心部に着弾すれば、死者は約七十万人、負傷者は約二百四十七万人に達すると推計されている。複数のミサイルが着弾した場合、百八十万人もの死者が出る。もちろん死の灰が降る」
「迎撃は失敗したということか?」
「極超音速ミサイル……通常の弾道ミサイルよりも低空で変則的な軌道で飛べるミサイルだったら迎撃は難しいだろうな」
「あの国か?」
「いや、日本に打ち込むメリットがない。日時を特定できるか?」
「出てる数字がそうだ」
「二年後じゃないか。湯本、これが核戦争なのか局地的なものなのかも含めて調べてほしい。分かったらすぐに知らせてくれ」
ドアの前で沖田が振り返った。
「湯本、お前日本の救世主になるぞ」
「お父さん、誰?」
「大学の同期だ。防衛省の統合幕僚長、制服組のトップだ」
「沖田か? 東京だけだ。おそらく誤警報で発射したんじゃないか。あぁ全然かまわない。大臣だろうが首相だろうが連れてきてくれ」
最初のコメントを投稿しよう!