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紫のカーネーション 2
女は、紫のカーネーションをリビングに置いてあるソファーにばら撒いていた。
俺の家は狭くとも、二階建てで、下の階はほぼリビングで占めていたのだった。
ソファーは、もっぱら部屋で映画を観るときのくつろぎ用だった。
俺は、ソファーに横たわりながら、大画面のテレビモニターを前に映画を観るのが家で過ごす時の定番だ。映画を一人でゆっくりと観るために、ミニシアター並みのモニターを設置している。結構費用はかかったが、他に金のかかる趣味もないので、よしとした。
そんな、俺のプライベートな空間に、見知らぬ女が汚しにかかっていた。
「何してんだ! 花で汚しやがって」
「あら。汚すなんて。きれいじゃない」
「バカか。ソファーは、座るものだ。花でべちゃべちゃに濡れてるじゃないか」
「クリーム色のソファーが紫に染まっていいじゃない」
女は、ますます増長して勝手な事を言い出してきた。
俺は、心の底から憎悪の念がふつふつと湧いてきた。
『この女は許せん。首を絞めて息の根を止めてやろうか』
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