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「お兄さーん、買ってきたよー」 レジ袋を片手に、少女が信号を渡る。 「コーラとお茶と、あと、チュロス」 飯が! チュロス。 「チュロス……よく私の好みが分かったな」 好きなのかよ! チュロス。 メロスはチュロスを袋から取り出すとすぐさま舌を出し、チュロスを舐め始めた。 「あぁ……美味い」 かじれ! メロス。 「じゃ、じゃあ私、習い事あるので。お兄さん、お大事に」 少女は涙を流しながらチュロスをペロペロするメロスに向けて、最大限の笑顔を見せた。メロスは「本当にありがとう」と囁き、炭酸の音を立てながら勢いよくコーラのキャップを回した。
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