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【フランケンシュタインの化け物の習性】
この世には、化け物と言われる存在がいる。それは、ひっそりと、または大胆に人間社会に溶け込み、人を殺める危険な種も存在する。
人類の天敵とも言える存在。だが、その『種』を、人類自らが生み出すことも想定されているのだ。
さて、本作『化け物殺人事件 〜フランケンシュタインの化け物はプロメテウスに火を与えられたのか?〜』に出てくる『フランケンシュタインの化け物』について少し説明をしましょう。
この物語に出てくるロボットに組み込まれているA・I(人工知能)のプログラムには基本的に以下のロボット三原則が組み込まれています。
ロボット三原則とは以下の通りです。
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
本作に出てくる化け物……、最新のロボット工学に基づいて生み出された新種のロボットは、このロボット三原則が組み込まれている。
そして、ロボットが人間を殺めたとしか思えない状況である博士が死体で発見されたのだった……。
果たして、ロボットは独りでに自我と感情を獲得し、『殺意』を学習したのであろうか?
否(いな)!
いつだって人間に『殺意』を抱くのは人間なのだ……。
だがしかし、ロボット三原則があるのだ。
そんなはずは、ない……?
ロボット三原則はこの新種のロボットなる『化け物』においてのプログラムに刻まれたものであり、本文中に破られることはないと言っておきたいと思います。
例えば、ロボットが直接、人間を害する行為を行ってしまうとか……。
ロボットが人間の命令を聞かずに暴走したとか……。
なんらかのエラーが原因で偶然、ロボットが殺人を行ってしまったとか……。
そういったことは決して起こり得ないのであります。
これらを踏まえ、懸命なる読者諸君には、出題部分を読んでいただいた時点で、すべての証拠が提示されていることをご理解いただきまして、
犯人がいったいどのような殺意を抱き、どのようにして犯行を為し得たのかを推理していただければ、
おのずからその手口がおわかりいただけるものと思います。
つたないものではございますが、その点をご容赦いただき、楽しんでいただければ嬉しいなぁ……。
~続く~
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