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「・・・もうこれで三度目だ…これでだめなら他を当たるしかないな…」
「しかし…」
「只今、戻りました…」
柏原が一人の女性を連れて、戻って来た。
「えっ!?」
「柏原さん、隣の方は誰ですか?」
部屋に居た全員が目を円くして、彼女に注目した。
「『エンペラー航空』のCAの久保葵さんです」
「CA?CAがどうして…此処に?」
細谷部長は首を傾げる。
「交渉に時間はそうかけられません。今回の交渉でお終いしたい。今夜はカールソン氏の孫娘の誕生パーティー。彼女の笑顔でカールソン氏を落とそうかと思い…連れて来ました」
「CAの笑顔か…柏原さんも良く考えたもんだ…副社長?」
「ん、あ、な、なんですか?細谷部長」
「顔が‥‥」
事もあろうに、部下の前で呆けた顔を見せてしまった。
俺は顔を引き締め、気を取り直す。
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