HONEYBEE(2)～プロローグ～運命の恋は空の旅から・・・(短編）

プロローグ＊二人のはじまり

東京国際空港。通称・羽田空港。
世界第五位の日本の玄関口。

本日の行き先はロンドン。
私はスーツケースを押しながら、先輩の後を必死に追い駆ける。
いつ見ても、チーフパーサーの高坂さんはカッコいい。制服は同じだけど、スカーフの色は私達は赤色だけど、チーフパーサーの高坂さんは黄色。
お客様には分からなけど、私達には一目でわかる
同じ航空会社の若手の副操縦士・高坂優那人(ｺｳｻｶﾕﾅﾄ)さんと結婚。
一昨年、男児を出産。ママとなった今でも、CAの仕事を続け、昨年、チーフパーサーとなった。皆の憧れの女性。

そもそも、私がCAを志したのは航空会社は違うけど、副操縦士を務める従兄の水瀬凜太朗(ﾐﾅｾﾘﾝﾀﾛｳ)さんの影響が大きい。
大手航空会社『エンペラー航空』のCAとなり、早三年の月日が流れていた。
最初は失敗の連続だったが、厳しい先輩の指導の下、努力を重ねて、ようやく一人前のCAに成長した。
ブリーフィングを終え、今日搭乗する飛行機の機内に乗り込み、今度はパイロットたちを交え、合同のブリーフィング。フライトの概要説明を受け、こちらからはお客様の情報を提供し、情報の共有を行う。

私、久保葵(ｸﾎﾞｱｵｲ）は本日もお客様の空の旅をより快適にするため、頑張って仕事致します。